矢車SITE ― 改訂2022年11月

写真を主とした本人の日記代わりのようなブログで、つぶやきのようなものですが、 当人の別ブログ記事の更新紹介も行っています。

いったん別のサイトに移転した本ブログのメイン記事を本サイトに戻しました。部分的にTwitter投稿を一定期間を区切って掲載したものが含まれます。

「科学以前の心」読了

中谷宇吉郎著「科学以前の心」、河出文庫を読了。また別のブログに多少詳しく書いてみたいがとりあえず、ここにメモっておこうと思う。編者の福岡伸一氏の解説はかなり的確だと思った。著者が感情的なこと、政治的なこと、哲学的なこと問題などはかなり抑制して、あえて深いところまで踏み込むことを意図的に避けていると思う、という解説であったが、確かにそういうところがあるように思う。一つ気づいたことは、昔、「暮らしの手帳」に連載された記事で記憶に残っていたエッセーが収録されていなかったことがある。もちろん、この比較的ページ数の少ない文庫本に収録されることを期待していたわけではない。そのエッセーというのは、万有引力のことを解説したもので、アインシュタイン一般相対性理論に対してかなり覚めた見方をしていたことが、いまだに忘れられない。それというのは、ああいう難しい理論物理学は自分にはわからない、と言いながら、一方で、一般相対性理論というのは単に数学的な説明を与えただけで、それで万有引力が解明されたわけではないというような意見の表明だったように記憶している。もう昔の話だが、このエッセーはついては個人的に、絶えず念頭にあるというわけではもちろんないが、科学の問題を考えるときにはいつも思いだす話のひとつである。